2024/12/23
小倉智昭さん 標準治療を受けておけばと後悔のニュースをみて思うこと
文字起こし(日本語)
皆さんこんにちは、友利新です。今日はちょっといつもと違うんですけれども、私自身これはちょっと皆さんにしっかりお話ししておきたいなと思うニュースを見かけたので、今日は動画をこんなふうに撮っております。これがどういうニュースかというと、今月12月9日ですね、キャスターである小倉智昭さんが膀胱がんでですね、77歳でお亡くなりになったというニュースなんですね。
小倉さんといえば長年、富士テレビの朝の「特だね」という番組に出ていて、私自身もその「特だね」を見て大学に行ったりとか、研修したりとか、本当に長年この朝の顔として小倉さんっていつも元気なお声を発していただいていたので、このお亡くなりになったニュース、すごく、それ自体も私にとってはびっくりしましたし悲しかったんですけれども、その後にすごくね、これはもう本当にもう医者としても、そして私も一人の体験者としてもすごく身につまされるというか、心が痛いニュースだったんですが、それがどういうニュースだったかというと、小倉智昭さん、医者が勧める標準治療を受けていたらと後悔、「特だね」の盟友が伝える当初は民間療法で温存というニュースなんですね。
これが何かというと、「特だね」でご一緒していたリポーターのフリーアナウンサーの方が別の番組でお話をして、これが小倉さんのメッセージですということでお伝えになったらしいんですが、小倉さんというのは2016年の5月に膀胱がんを発表されていらっしゃるんですね。当初はこの膀胱がんだった場合、そのステージにもよるんですけれども膀胱を全摘するっていうところをしていく必要があったらしいんですけれども、当初は膀胱温存、要は取らずに完治を目指して民間療法である温熱療法というものを受けていらっしゃったみたいなんですね。でもそこから2年、2018年に大量の血尿が出たため、同年11月末に膀胱の全摘手術を受けたということなんですよ。
大村さんが曰く、小倉さんは16年春に癌を宣告されセカンドオピニオンまで受け、それ以来の治療を選んで民間療法という形でずいぶんお金を投じた。それによって2年半遠回りした。本人はやっぱりお医者さんのいう治療、標準治療を受けていたら俺の人生は変わったかもと話していたと。何かあったら小倉の口から伝えてくれと、小倉さんから託されたメッセージを伝えましたというようなニュースなんですね。
私自身は今はもちろんがんとかを見る医者ではないんですが、大学病院にいた時代はですね、やっぱりそういった患者さんを受け持ったりということもありました。そういった時に私たちが伝える治療というのは、標準治療と呼ばれる治療をお話しするんですね。標準治療というと何となく標準的で一般的というイメージがあるかもしれないんですけれども、科学的根拠に基づいて有効性が証明されていて、今現在利用できる治療で一番最善の治療ということを標準治療と私たちは言うんですね。
ただその中ではやっぱり治療なので100%ではないですから、生存率が何パーセントだったり再発率が何パーセントだったりということもきちんとデータを示してお話しするんですけれども、そういったものと対極というとあれですけど、その他に民間療法的なものでですね、これをするとがんが治ったとかがんが消えたみたいな、すごくがんを患っている人からすれば魅力的な治療というものもあるんですけれども、でも私たち医師が一番勧めるのはこの標準治療になっています。
なので小倉さんもこの記事を見るとですね、この標準治療を最初は選ばずに民間治療でそういった他の治療を受けていて、それで2年間したところやっぱりがんが進んでしまったということだと思います。どうしても本当に広告がいっぱいたくさんあって、民間療法というと古くから言うと漢方だったりとか、あとはなんか手かざしみたいな気功だったりとか、あと食事だけでやりますというものだけじゃなくて、残念ながらその医療従事者が関わっていて、これで100%こういう治療すれば100%治りますみたいな、高額の治療費を取ってやっているクリニックもなくはないです。
なのでこれを見るたびに私はもう本当に心が痛むんですけれども、なのでそういったものではなくてしっかりとした科学的根拠に基づいた標準治療をやっているというものを、やっぱり選んでいただくということはすごく大事だなというふうに思うんですね。科学的エビデンスのあるしっかりとした標準治療を行っていくということは、本当にさっき言ったみたいに生存率だったりとか、ネガティブなことも私たちは話すので、それより、それに比べたら確かに100%治りますとかこれが最新治療ですみたいに言われると、惹かれるそこに魅力を感じる気持ちも分かるんですけれども、やっぱり最終的にはやっぱり標準治療というのが一番正しいのかなと思います。
ただそういう話をしている私なんですけれども、実は私は12年前に自分の父親を肝内胆管がんという癌で亡くしています。12年前一番最初に父親のCTを見たときに、肝臓にワーッと癌があるのを見たときに、その時がちょうど2月ぐらいで、父親は沖縄でそれが見つかったので東京に呼び寄せて、東京で治療したいということだったので、東京でセンターに入院してやるんですけれども、その時ちょうど桜が咲いている時期だったんですが、父親のCTとか病状を見たときに、来年一緒に父と桜を見ることはないだろうなというのは、私が医師として普通にというか、分かっていたことだったんですね。
ただやっぱり治療を進めていきましょうということで、主治医の先生は抗がん剤を選択していただいて、私もそれにしっかりと納得して、父も納得して抗がん剤を始めました。ただ納得して始めて、すごく私自身も奇跡というか、そういう民間療法に頼るつもりはなかったんですけれども、どこからとも良かれと思ってですね、こういった薬を飲んだ方がいいよとか、こういうお水飲んだ方がいいよとか、こういう気功の先生がいるよとか、やっぱりいろんな情報が私の周り、家族の周りにはすごくたくさん来て、これでなんとかさんは顔が治ったよとか、これでがんが治った、これを飲むと治った人がいるらしいとか、ここに行くと全部なぜかがんが消えたんだよ、みたいなことを教えてくれるんですね。
通常医者という私の立場だったら何言ってんだよ、みたいに思ったかもしれないんですけれども、でもやっぱり私は医師であると同時に、やっぱり父親の娘なんですよね。父にやっぱり長く生きてもらいたい。頭の中では分かっているんですよ、もう余命は少ないということ。でも娘としてはそうなんだけども、どこかで奇跡が起こってくれるんじゃないか、ということをすごく思っていて、なので民間療法に、ちょっと惹かれた自分もいるんですよ。もしかしたら本当に他の人はダメかもしれないけど、うちの父だけは奇跡が起こるかもしれない、というふうに思って、なんとなくこういうのをやってみた方がいいんじゃないかな、って思わなかったかというと、本当に嘘になります。
ただ私としてはその選択は選択せずに、やはりしっかりとした標準治療で、抗がん剤をやって、当初東京に入院した時には、東京の病院に入院した時には、もう正直沖縄に帰ることはないだろうなと思って、父は東京で最後を迎えるんだろうな、と思っていたんですが、本当にありがたいことに抗がん剤が奏効して、がんがある程度縮小して、そのまま元気な状態で、沖縄に戻ることができたんですね。もちろんそこからいろいろあって、父は亡くなるんですけれども、でも家族全員に見とられたい、沖縄で死にたいというところがあったので、もちろん今生きているわけではないんですけれども、私はその標準治療をした時に、最善の治療だったと思っていますし、もちろん細かいところは後悔がなかったといったら嘘ですけれども、そういった民間療法ではなくて、標準治療を受けたことは、私にとっては全く後悔がないんですね。
何が痛いかというと、やっぱり自分だけは違うとか、もしかしたら奇跡が起こるかもしれないというのは、私、医師である私でさえもすごく思ったことなので、やっぱりそういった、もしご家族が宣告されたりとか、自分自身が宣告された時って、本当に通常の状態とはやっぱり違うようなことが、やっぱり思考だったりとかが起こってきて、そういった時にこれが効きますよみたいに言われたら、そこに惹かれてしまう気持ちっていうのも、私は絶対にない、絶対それはダメだよとか、絶対にないよということは、やっぱり自分自身の経験からも、なかなか言えないんですね。
ただがんの治療も本当に進んではいて、標準治療ではないんですけど、先進医療というものがあります。これは民間療法とは違います。どう違うかというと、治療効果に科学的エビデンスというものが、少し少ないんですけれども、どういうものかというと、治療効果に科学的エビデンスが、標準治療とは違って少し劣るので、これは保険適用にはなっていません。なので治療費は全額自己負担になるんですね。ただ先進医療にはですね、国が認めるものというのもあって、その適用というものが決められているんですよ。
なのでもし適用のがんだったりとか病気だったとしたら、その先進医療を受けた時にはですね、保険でそれが戻ってきたりとか、混合診療に一緒に、通常の保険診療と一緒になったりとか、ということができるので、先進医療というものは、標準治療とは違うものがあるんですけど、それに関しては適用が決まっているということになります。なので高額ですけれども、それが例えば保険会社だったりとか、主治医の先生に私のがんだったりとか、病気が先進医療の対象になりますか、と聞いて、もしなるようだったら、標準治療と一緒に掛け合わせて、高額な医療費を払わなくてもいいということもあるんですね。
なので迷ったら主治医の先生に、標準治療とその他のオプションは何がありますか、って聞くことが大事です。ネットとかで自分で調べて、本当に高額なもので、全然効かないようなものを選ぶんではなくて、標準治療を軸として、プラスアルファの先進医療とかがないか、ということを聞いていく。そうやって進めていくことが、やはり治療なので100%はないですけれども、でも後悔が少ないんじゃないかなというふうに思います。
わかりやすく言うと、その年末で医療控除とか、税金の還付みたいなのあるじゃないですか。そういったもので、その領収書を持っていったら、その医療控除として認められる。要はなのでこれは国が認めているような治療ですよっていうものだと、基本的にはそういうふうな怪しい治療じゃないんじゃないかなと思うので、もしわからなかったら、そこの医療機関だったりに、この治療した時には医療控除の対象になりますか、っていうことを聞くっていうのも、もしかしたら一つの手なのかなというふうに思います。
なのでちょっとまとまりがなかったかもしれないんですけれども、やっぱり標準治療というものは、本当に科学的根拠があって、治療効果が今現在一番認められているものになります。その他に先進医療とかもありますけれども、基本的には標準治療を軸として、もし高額医療費がかかったとしても、後に税金でしっかりと控除で戻ってきたりとか、カンプで戻ってきたりということもあるような、国がちゃんと認めている治療というものを、軸にしていただくと、後悔がないんじゃないかなと思いますし、ただ気持ちは本当に分かるっていう、私も自分の父をがんで亡くしていますので、そういった気持ちは分かるんですけれども、小倉さんはきっと、このことを本当に皆さんに伝えたかったんだなと思うので、やっぱりこのことがもっと多くの人に知っていただいて、何か皆さんが病気になった時に、間違った選択をしないようにしていただきたいなと思います。
今日はいつもと違った動画になりましたけれども、本当にこれってすごく大事なことだと思うんですよね。通常であれば自分が後悔していることを公にするということは、すごく勇気がいることだったりすると思うんですが、小倉さんというのはキャスターでもありますし、ジャーナリストでもあった、そういう立場の人だったので、こういった生き様を最後に残すということは、本当に素晴らしいことだと思います。最後になりましたけれども、小倉智昭さんのご冥福をお祈りいたします。
Transcript (English)
Hello everyone, I'm Arata Tomori. Today's video is a bit different from usual, but I wanted to properly share some news that I think is important for all of you to hear. This is about news regarding Toshiaki Ogura, a long-time news anchor on Fuji Television's morning show "Tokudane," who passed away from bladder cancer at age 77 on December 9th.
Ogura was a fixture on "Tokudane" for many years, and I myself watched the show before going to university and during my training. As the face of morning television for so many years, his voice was always so energetic and positive. His passing shocked and saddened me deeply, but what followed was even more painful news—both as a doctor and as someone with personal experience. The news reported that Ogura expressed regret about not pursuing the standard cancer treatment that his doctors had recommended. According to a co-host from "Tokudane," Ogura initially chose to pursue alternative medicine therapy rather than the standard treatment recommended by doctors. He was diagnosed with bladder cancer in May 2016, and initially pursued a warming therapy treatment to try to save his bladder. However, after two years in 2018, when he experienced severe hematuria, he underwent complete bladder removal surgery in November of that year.
According to his former colleague, Ogura said that if he had followed the standard treatment his doctors recommended from the beginning, his life might have been very different. He had invested significant money in alternative medicine over those two and a half years. This was a message Ogura reportedly asked to be shared with the public.
While I'm not currently a doctor specializing in cancer treatment, during my time at a university hospital, I did treat many cancer patients. The treatment we recommend is always standard cancer treatment. The term "standard treatment" might sound ordinary, but it actually refers to treatment that has scientifically proven effectiveness based on evidence and represents the best available treatment option at the present time.
However, because all medical treatments carry some risk, we always present survival rates, recurrence rates, and other data accurately to our patients. In contrast, alternative medicine treatments often make miraculous claims about curing cancer or making it disappear, which can be very attractive to cancer patients. But standard treatment is what physicians consistently recommend.
In Ogura's case, it appears that by choosing alternative medicine initially instead of standard treatment, his cancer progressed over those two years. Despite all the advertising for alternative medicines like traditional Chinese medicine, energy healing, or diet-only treatments, it's unfortunately not uncommon for medical practitioners to charge high fees and claim 100% cure rates. This breaks my heart every time I hear about it.
Instead of such treatments, it's crucial to choose treatment based on solid scientific evidence. While I understand why patients might be attracted to treatments claiming 100% cures or being the latest treatment, standard treatment is ultimately the most correct choice.
But I must share my own experience: 12 years ago, I lost my father to intrahepatic cholangiocarcinoma. When I first saw his CT scan in February, with cancer spread throughout his liver, I knew as a doctor that I wouldn't see cherry blossoms with him the following spring. However, we decided to proceed with treatment, and my father's doctor chose chemotherapy, which we all agreed to.
Despite my intention to trust in standard treatment, I received numerous suggestions from those around me about alternative remedies—special water, supplements, energy healers—all claiming miracle cures. While my doctor's training might have made me dismiss these suggestions, as a daughter, I desperately wanted my father to live longer. I understood medically that his time was limited, but I harbored hopes that maybe a miracle could happen for him.
However, I chose standard chemotherapy rather than alternative medicine. Though I initially thought my father would pass away in Tokyo and never return to Okinawa, the chemotherapy was effective, his cancer reduced significantly, and he was able to return to Okinawa in good health. Eventually, he did pass away, but he was able to die surrounded by family in Okinawa as he wished. While I have no regrets about choosing standard treatment, I won't claim to have no regrets at all about the details.
What pains me most is that even I, as a physician, felt the desire to believe in miracles and thought my father might be different from others. When diagnosed with a serious illness, people's thinking changes dramatically, and when someone tells you "this will work," it's hard to resist. I can't say with absolute certainty to others based solely on medical knowledge that such feelings are impossible.
While cancer treatment has advanced, there is something called advanced medical treatment, which is different from alternative medicine. While it has less scientific evidence than standard treatment, if advanced treatment is approved by the government for your specific cancer or disease, it may be covered by insurance or used in combination with standard treatment through mixed medical treatment.
If you're unsure, always ask your doctor: "What is the standard treatment, and what other options are available?" Rather than self-diagnosing through the internet and choosing expensive treatments with no evidence, maintain standard treatment as your foundation and ask about any potential advanced treatments to combine with it.
If treatment qualifies for medical expense deduction—meaning you can claim it on your taxes—that's a sign it's recognized by the government and likely not a suspicious treatment. If you're uncertain, ask your medical facility whether the treatment qualifies for medical expense deduction.
Ultimately, standard treatment is based on solid scientific evidence and represents the most proven treatment available today. While advanced medical treatments exist, standard treatment should be your foundation. Even if high medical costs are involved, you can often recover them through tax deductions. I encourage you to base your treatment decisions on therapies officially recognized and approved by the government.
I understand people's feelings—I lost my own father to cancer. I believe Ogura genuinely wanted to convey this message to everyone so that when people face illness, they don't make the wrong choices.
While today's video is different from my usual content, I believe this message is incredibly important. Typically, sharing regrets publicly takes tremendous courage, but Ogura, being both a broadcaster and journalist, has left behind a powerful final message by sharing his experience. I truly wish more people would learn from his story.
In closing, I offer my deepest condolences to the Ogura family and prayers for his soul to rest in peace.
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